島津荘園
全国姫路菓子大博覧会 名誉総裁賞受賞
―地元素材のいいものを集め―
山芋をたっぷりと含ませたかるかん生地に、上品な甘さのこれがしを流し
バイオ茶入りの栗きんとんをぎゅっと包んだお菓子です。
コシヒカリの米粉、山芋、バイオ茶、栗 どれも厳選した都城地域の素材は、その良さを余すことなく引き出され 懐かしくも新しい銘菓へと姿を変えます。
製法にもこだわり、しっとりもっちりとしているのに喉越しがいいことにも驚かされます。
この地の人々が愛した歴史ある伝統菓子をこの地の原料と培ってきた技とで融合させた菓子は『島津荘園』の名に相応しい菓子です。
お菓子の南香
創業 明治三四年
“温故知新”の精神に副って 古き良き伝統を重んじ 新しき良き流れとかえ
懐かしくも今までにないような菓子を追い続けています。
こだわり
・地のものを
霧島の広大な自然と生産者が愛情という手間をかけて育てた作物に感謝し、地元で採れる鮮度も味も良いものを使います。
生産者の農園に足を運び、舌だけでなく五感で原料を探すことを心がけています。
どんな場所でどんな人にどれだけの愛情をかけられ育てられたか
生産者の想いを知ったら、変なモノは出せない 良いモノをつくる責任があると気合も入ります。
お菓子の中に我々職人の想いだけでなく、素材を作ってくれた人の想いを一緒に包むんです。
その方がお菓子も喜ぶでしょ。
・小豆
北海道産最高級小豆を南香独特の製法で小豆本来の風味を堪能できる最高の餡に仕上げます。
・体に良い菓子を
保存料等は使用せず、純粋なもので出来たお菓子は、体の中にすっと入ります。
子供さんにも安心して食べてほしいですもん。
素材がいいから余計なものは逆に味を悪くする。
体に良いお菓子はやっぱり身体が喜ぶんです。そして美味しさに変わります。
三代目主人 遠武 弘蔵氏
歴史のある家業を継ぐのはプレッシャーもあったけど、子どもの頃から食べるのもつくるのも好きでした。
人に喜んでもらえる仕事ができることは有難いことです。
菓子づくり55年 基本を体にしっかり叩き込み、想いもぶれずにやってきました。
いいものをつくるためには原料は惜しみません。
商売下手だけどそれでもいい 私は生涯 “職人”なんです。
どこにもないような菓子を追い求めたい。
自分の慢心ではなく、お客さんが心から美味しいと言ってくれた時にその菓子は完成するのです。
いいものをつくれば遠くからでも求めてくれるお客さんがいます。
職人だから単純で褒められると心底うれしくなるんです。
地元 都城にこだわる理由
創業90周年の時、「90年間 地元の人に支えられたんだね」と言われた言葉にガツンときました。
それまでは、自分の腕があれば美味しいのをつくれるんだ、と自分の我と欲がありました。
そこから、自分でも驚くほど考え方が変わりました。
“地元に恩返ししないといけない”その火はそれからずっと今も心に宿り続けています。
地元の人々との出会いが生んだ菓子は、自分を高めるチャンスにもなりました。
絆を大切にしないと商売はできません。
いい原料があるだけでは駄目だから職人がいるんです。
地元の環境、素材、何より人の素晴らしさを菓子を通して伝えたいんです。
取材協力:お菓子の南香 三代目主人 遠武 弘蔵氏