「蘇」は奈良・平安時代の貴族・高級官僚が美容健康食や薬、供物として珍重していた古代乳製品です。
中西牧場の〝甘乳蘇″は、自社の農場でその日の朝搾った生乳だけを1/10程になるまで8時間かけてじっくりと煮詰めて作ります。
その、甘乳蘇を練りこんだ〝甘乳蘇ソフトクリーム″もまた自社の農場の生乳を使い、牧場横の加工場で製造しています。
濃縮した牛乳の甘みとコクを活かすため砂糖を控え、香料も牛乳から作るこだわりです。
なんと長崎ハウステンボスで開催される「ご当地グルメ王座決定戦 スイーツ部門」で3度も優勝を果たしています。
甘乳蘇 誕生話
27年前(昭和54年) 生産調整により頭数に合わせて牛乳を出荷できる量が定められ、それ以上は廃棄しないといけませんでした。
せっかく大事に育てた牛から分けてもらった牛乳ですから何かに利用できないかと考えていた時に新聞で〝蘇″を知り、両親は奈良で製法などを学びました。
つくり方は、生乳の水分を煮詰めて飛ばしていくシンプルなものですが、季節によって生乳の脂肪分も異なりますし、加工場の気温や湿度などでも条件が変わるので独自の製法を確立させるまでに時間もかかりました。
薄くスライスして食べると濃縮された旨味と天然の甘み、クセのないチーズのようなまろやかな風味が口に広がります。
健康食品としてだけではなく、お酒にも合うのでおつまみにも♪
そのまま食べるだけでなくパスタやサラダに細かく刻んでかけるのもお勧めです。
でも、やはり初めはそのまま味わってほしいです。
兄弟・二人三脚
兄が、牛を飼育し、自分(弟)が、加工を担当しています。
兄とは小・中・高と仲が悪かったんです(笑)
でも今はすごく信頼していて中西牧場にとっても自分にとっても欠かすことのできないパートナーです。
兄が良質などこに出してもおかしくない牛乳を作ってくれるから自分もどこに出してもおかしくない商品がつくれます。
仕事上でも干渉することはなく、お互いが精いっぱい頑張るだけです。
両親がつくってくれた道を人との出会いや学びによって広げていくのは大変だけど楽しいです。
中西牧場の牛乳
牧草やトウモロコシ飼料をできるだけ自給生産し、乳酸発酵させ腸内細菌を整わせます。
また、地下水をくみ上げ、塩素の入っていない水を牛専用にひいています。
現在、50頭ほどの牛がいますが、ここで生まれた良い子牛だけを残して飼育し乳牛に育て上げるため血統も管理でき、質や量も安定しています。
生まれた時からここにいるので環境にも慣れ、ストレスなくのんびりと暮らしています。
自分たちがイライラしていたり、マイナスの気分だったらそれが牛にも伝わるので穏やかな気持ちで接するようにしています。
飼料・環境・気持ちがやっぱり良い牛乳をつくるためには欠かせません。
<ミルククラブ中西牧場>
所在地:宮崎県都城市山之口町富吉4619
電 話:0986-57-3007
<甘蘇ソフトクリームが食べれるお店>
道の駅都城 ⇒ 宮崎県都城市都北町5225−1 TEL 0986-38-5125
道の駅山之口 ⇒ 宮崎県都城市山之口町山之口2304-6 TEL 0986-57-5330
道の駅田野 ⇒ 宮崎県宮崎市田野町甲7885-164 TEL 0985-86-2960
道の駅高岡 ⇒ 宮崎県宮崎市高岡町花見304-5 TEL 0985-82-4936
道の駅日向 ⇒ 宮崎県日向市幸脇241-7 TEL 0982-56-3809
青井岳温泉 ⇒ 宮崎県都城市山之口町山之口2123 TEL 0986-57-2177
新宿みやざき館KONNE ⇒ 東京都渋谷区代々木2丁目2番1号 TEL 03-5333-7764
その他、九州内のイベントにも出店しています☆
甘乳蘇を使ったアイスクリームは全国発送で販売しています。
取材協力:ミルククラブ中西牧場 中西 朋晃氏