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明治時代から続く老舗の酒蔵 ”柳田酒造”

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楽しいこと、オモシロイこと、食べること 都城らへんの人・モノ・コトを私目線でご紹介します。

6/21(土)ラディッシュセブンさんで開催される
“農家のごちそうバル〜犇(ひし)めく美味しい都(まち) ・都城のバル〜”

今回、都城バルで味わえる、地酒『駒』『 赤鹿毛』『 青鹿毛 』『千本桜 』
そのルーツを探るべく、『柳田酒造合名会社』柳田正さんに取材をさせていただきました。

【焼酎作りの始まり】

蔵を継ぐ前は関東でシステムエンジニアのお仕事をされていたという柳田さん。
四代目であるお父さまが 体調を崩され 患われた病から 今後のことを息子である柳田さんご兄弟に話されたのが2001年のこと。

関東に戻る飛行機の中 兄弟で話し合い 次男である柳田正さんは地元に戻り焼酎作りを継ぐことを決意されたそうです。

 

柳田酒造は明治35年から続く都城でも老舗の酒蔵です。 当時、柳田さんは ご自身が幼少期まで お父様が手掛けられていた 芋焼酎 ”千本桜”の復活からのスタートを考えていました。

千本桜

芋焼酎を復活させたい…

 

【麦焼酎作りからのスタート】

柳田酒造さんと古くからお付き合いのある 都城の酒屋 さいしょ酒店さん。
税所さんは そんな柳田さんの想いを聞いて こうアドバイスされたそうです。

”君は大きな間違いをしている。君たち兄弟が関東に出ても こうして蔵を続けて来られたのは 麦焼酎”駒”があったからこそだよ。これだけ芋焼酎が普及したこの街で 麦焼酎を守り続けて来たことはすごいことだ。
これをしっかり受け継いでから君が作りたい千本桜を作るのでもよいのでは?”

税所さんは自分の儲けよりも 作り手のことを親心を持って応援してくれる存在…
と柳田さんは語ります。

そんな税所さんの思いのある一言が 柳田さんが柳田酒造の麦焼酎を作りはじめる決意に繋がったそうです。

さいしょ酒店

【最後に行き着くところは原料】

駒をはじめ 柳田酒造の麦焼酎に使われる麦は 古くから宮崎全域に自生していたという在来種の裸麦”ミヤザキハダカ”です。 (青鹿毛は大麦になります)

この麦は 昭和17年、宮崎県の奨励品種として指定され、ピーク時の昭和35年には、宮崎県内の作付面積は約2万haを超える規模を誇る程であったそう。 しかし、外国産の麦の流入により減少の一途をたどり、昭和の終わりと共に完全に姿を消したとされます。

品種改良された麦を作る県が多い中、作りづらいとされる 裸麦を最後まで作っていたという宮崎県。

その種は今では宮崎の試験場で保管される程貴重な麦となっています。

麦

容易に手にすることは出来ないこの裸麦が柳田さんの手元に奇跡的にやって来るまでにはこちらに書ききれない程の沢山の出逢いとストーリーがあります。
宮崎にしかない由来ある裸麦を復活させ この在来の麦で焼酎作りにこだわりたいという柳田さんの想いが通じたのでしょうね。
平成19年には、地元で製茶業を営む叔父の 上水 漸(かみみずすすむ)さん と二人三脚で復活に成功されたそうです。

また 六次産業化に取り組み お米や麦を栽培される 高原町の黒木親幸さんとの出逢いもあり 現在は 3ha程の麦を高原町で作られています。

( 今年度のミヤザキハダカの栽培面積は、3.57ha)

2 期めの契約栽培(平成23年産)の途中では、霧島山新燃岳の噴火による降灰で新芽に大きな影響がありました。
その時は噴火に加え、土石流に対する不安と恐 怖の中、高原町の農家さんたちは「ミヤザキハダカを再び絶滅させてはいけない」と、ご自身方の畑をおいてまで降灰で埋もれた麦畑の除灰作業に献身的に取り 組んでくださったんだそうです。

そんな想いが通じ、6月には見事な穂を実らせ収穫に至り その年の麦焼酎の味は忘れられないものになったそうです。

農家さんたちのこの努力を無駄にしたくない、恩返しをしていきたい…

そんな想いがまた 柳田さんの麦焼酎作りへのこだわりや研究に繋がっているのを強く感じました。

ビィハピスタッフもこの柳田さんのストーリーを取材させていただきながら 何度もこみ上げてくる想いがあり この想いを大切に伝承したい… と強く感じました。

柳田さんのお話を伺った後にいただいた 麦焼酎の味は忘れられません。

yanagita

今まで 焼酎が苦手で飲めなかった私ですが 一瞬にして柳田さんの麦焼酎のとりこになりました。 口に含んだ時の味わいと 鼻から抜ける麦の香ばしい香りには いただく度に感動し まるで麦畑にいるような感覚さえ覚えます。

麦焼酎 ” 夏の赤鹿毛”は ラベルも口当たりも女性向けで 焼酎が苦手だという方でも この焼酎でしたら 私のように 焼酎への印象が変わるきっかけ をいただけるかも…?

 

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さいしょ酒店さんではもちろんのこと 今回のラディッシュセブンさんでの農家バルでも 麦焼酎、そして復活を遂げた芋焼酎 千本桜を楽しんでいただけます。

柳田酒造さんの想いのこもった焼酎。 さいしょ酒店さんのトークも聞きながら ぜひ 想いを感じて味わっていただけたら 嬉しいです。

Interview:yuki-e

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柳田酒造合名会社
〒885-0055
宮崎県都城市早鈴町14街区4号
TEL:0986-25-3230
FAX:0986-25-3231
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