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創りてたちの『手』vol.6 牛養い人・牛削蹄師 松山 龍二(Ryuji Matsuyama)

HARUKA

何よりも大好きなこと“食べること” ・ “作ること”。 おいしいものがあれば、Happyになる*みんな笑顔になる*大事に育てられた野菜も果物もお肉も魚もすべてがご馳走。美味しいものをこれからどんどん紹介させてくださいね★

夏休み特集!(って休みはないけど( ;∀;))

ということで今回はみっちり長編のため2回に分けて牛養い人・牛削蹄師(さくていし)松山 龍二さんをご紹介します♪

 

第1話

7月中旬、梅雨明けしたかと思わせるような容赦ない太陽が照りつけた夏日。

久々の乾いた風に、青々とした稲が揺れ緑のにおいがする。初夏のにおいだ。

 

三股町にある牛舎に到着すると、こんがり夏色の松山さんと3ヶ月前にやってきた愛犬のピノが軽トラで登場!

 

牛舎には、800kgを超えるずんぐりとした大きな黒毛和牛がじっとこちらをじっと覗いている。

まずは牛舎内を松山さんの軽快なトークで案内していただきました。

 

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松山氏  「生後約9ヶ月で子牛はセリにかけられて肥育農家のところにきて生後約30~31ヶ月で出荷してお肉になるんだよ。」

 

HARUKA「ここにいるのはみんなオスですか?立派な角が生えていますね。」

 

松山氏  「オスもメスも角はあって血統によって形や色合いとかが違うんだよ。

もちろん個体差もあるけど。たまにポーンって外側の硬いところだけが抜けることがあるのよ。

深夜仕事をしてて、ピノがその角殻をおもちゃにしてカランコロン カランコロンと遊ぶ音に最初ビビったわ(笑)。」

 

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HARUKA 「松山さんは普段ここでずっと牛たちのお世話をしているんですか?」

 

松山氏  「農業高校畜産科から農大を出て、牛削蹄師(牛は一般に運動量が少なく蹄(ひづめ・つめ)が伸びすぎてしまうので、長さ・形を整える必要がありその牛のつめを切る技術者)として20歳から20年、都城地域管内の牛のつめ切りをしているよ。

朝、牛たちに餌をあげてつめ切りに行って、17時頃戻って夕方の餌をあげながら牛たちの体調をみて。それから一旦自宅に帰って子供たちを風呂に入れて寝かして21時頃牛舎に戻る。

長い時には夜中の2時くらいまでいるかな。」

 

今回は、なんと畜産のまちでもなかなか見ることのできないつめ切りを見せていただきました!!!

 

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~つめ切り~

牛のストレス軽減

人間だってサイズの合わない靴や、小石が入った靴を履いていたらイライラしちゃうし、かかとが高いとハイヒールをずっと履いているのと同じで負荷がかかってしまうからつめを切るんだよとわかりやすく説明してくれる松山さん。

 

子牛の時に1回、出荷するまでにもう1回。

子を産ませる母親牛は年に1回の頻度で切るそうです。

 

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【つめ切り前】

 

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【手前がつめ切り前・奥がつめ切り後】

 

血統や個体よってつめの長さや曲線が違う。

大きなはさみでカットした後はやすりで削りバランスの取れた安定した形に仕上げる。

 

松山氏  「昔、蹴られたことがあって10秒ほど記憶が飛んだわ。今は、牛が蹴るタイミングもわかるよ。1日10頭だから年間3000頭以上もつめを切っているからね。」

 

技術向上のため毎年、高千穂牧場で宮崎県牛削蹄競技大会が開催される(今年は8月5日)そうで全国大会まであるそうです。

 

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ここに牛を入れて作業。140kgの柵をてこの原理で運ぶ。

 

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牛のつめは良質なたんぱく質で栄養価も高いそうで切ったつめはピノのおやつに♡

 

HARUKA 「どんなことを思ってお世話をしているんですか?愛着がわく牛もいるんですか?」

 

松山氏   「あまりいろんなことは考えないかな。

人懐っこいのとか、かわいい表情のとかはやっぱりかわいいよ。

でも愛着がわく牛でも基本的には名前では呼ばない。

生産農家が名前を決めるけど、名前で呼ぶと愛情が入りすぎてかわいそうになっちゃうから…。

経済動物ということを忘れないように、かわいがるけど美味しいお肉になれよってかわいがる。

そこらへんのバランスはやっぱり難しいよね。」

 

 

HARUKA 「牛の世話で何が特に好きですか?」

 

松山氏   「餌を全部あげて最後に餌箱を掃いてきれいになると今日もよく食べてくれたなーってうれしくなるから1日の最後の餌箱掃除が好きかな。」

 

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それぞれの牛舎の前には1頭ごとにいつどのくらいの量の餌をやるか細やかに書いている。

丁寧に掃除された床や壁。風通しも良く、よい風が通り抜ける。

 

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餌は地採れの稲わらと麦わらオーストラリア産のオーツ麦わらを使用。

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三股や都城の農家に肥料として牛糞を提供。

前回取材させていただいたおかもと自然藷とは牛糞と稲藁と交換 まさに『地域還元』。

 

 

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松山氏  「5年に1度開催される和牛のオリンピック『全国和牛能力共進会』が来年、宮城県で開催されるんだけど、肥育牛の宮崎県代表候補のうち4頭をうちで預かっている。

今までの肉の評価等をもとに依頼が来るわけよ。結構、オレ優秀なのよ(笑)。」

 

 

 

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どや顔(笑)

 

―っとここで子牛のセリで購入してきたばかりの子牛の牛舎入り―

 

毎月4頭出荷して、新たに4頭の子牛を入れるそうです。

 

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子牛は約75万円/頭

 

◆実父からみての松山 龍二

 

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『バカやね~。考えられないくらい細やか。

餌でもちょっと量が違うのも許さん。普段自分の机の上やらは散らかしているのに牛のことになると几帳面!馬鹿がつくくらいやわ。

一緒に仕事していて楽しいけど、逆に親が叱られるから怖いわ~(笑)うちは反対じゃ。

牛のことになると人の何倍も気を遣う。

小さいころから動物が好きだったけどここまで好きになるとは思わんかった。』

 

 

そして松山さんをよく知る、地場産業センターの井ノ上亜里沙さんにも聞いちゃいました☆

 

◆亜里沙さん

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『なんでもできるし熱いね!

牛を中心として政治にも詳しくて人間関係も広いし、同じ年代から見ても大人だなって思う。

動物のようにまっすぐで純粋で直感タイプだけどしっかり勉強して準備をしている。

根本的に松山さん自体が人間臭いとおりこして“牛”だよね。

 

裏表も本当にないし、だから自身の理想とする牛も育てられるのかなって。

まっすぐすぎてどうかなって思うことあるけどやっぱりそれがいいんだよね(笑)。』

 

 

松山龍二(S51.2.16生まれ 40歳)

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牛飼い・牛削蹄師・都城牛串部隊隊長・3人の子供を持つ父親

 

<大事にしているもの>

ピュアなハート・人との縁

 

<趣味>

若いころは、波乗り。今は、牛と動物たちと過ごすこと。

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<好きな色>

ビシッと決めたいときやかっこつけたいときは黒!黒が俺を選ばせるーーー(笑)。

本当に好きな色は青とか原色の結構派手な色で赤・黄色。でもやっぱり青!

 

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第1回はここまで☆

第2回は、子牛のセリに連れて行ってもらたり、松山さんの取り組みについてレポートいたします(`・ω・´)

 

 

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HARUKA’S  食BLOG

何よりも大好きなこと“食べること” ・ “作ること”。

 

おいしいものがあれば、Happyになる*

みんな笑顔になる*

 

大事に育てられた野菜も果物もお肉も魚もすべてがごちそう

 

楽器が全くダメな私でも、トントンと包丁で奏でる音は得意げで

二重飛びも逆上がりもできなかった運動音痴な私でもフライパンの上でパンケーキを2回転ジャンプさせられる

 

美味しいものをこれからどんどん紹介させてくださいね(*^▽^*)

 

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AGRI CREATOR創りてのこだわりや想いをインタビュー形式で紹介