伝 承 活 動 と し て の『 本 物 の 祭 り 』を 目 指 し て
今回24回目にもなる、都城の『おかげ祭り』。
都城の祭りとして、参加者も観覧者も年々数を増している。
おかげ祭りとは?どういうことを伝えていきたいのか…
振興会理事である新村和彦氏に話を聞くことができた。
おかげ祭りがスタートしたのは ー
1993年(平成5年)ー 日本の生活文化として培われてきた 伝統ある祭りの仕組みや本質 に学び、地域の人たちが自分達の地域を実感できる、そして誇りに思えるような地域ぐるみの賑わいづくりを目指し祭り興しプロジェクトが発足した。
新村氏 ー
『 もともと、都城市のときわ通り商店街の感謝祭が開催されていたところを、地域の祭りとして根付かせていこうとしたのが始まりでした。
発足当初の人数は17人という少ない人数から共通の想いを持つ同志が集まりスタートしました。』
おかげ祭りが目指しているもの ー
伝承活動としての『本物の祭り』を目指して
日本の伝統ある祭りは、単なる楽しむための賑わいづくりだけではなく、地域の絆を温存しお互いが助け合って生活していく共存の仕組み、あるいは集団の中でそれぞれが守るべきマナーや秩序がすべて組み込まれています。
今の社会には、こうした地域住民の連携を図るための再生手段が必要なのです。
新村氏ー
『昔でいう“やり取り”という言葉が、今は“取りやり”逆になってしまっていると…よく私たちは話しています。
自らが先に与えて、相手が受け取る、そしてまた与える。
今は相手がやれば自分もやる。そんな考えが多い気がします。
おかげ祭りは、完全な縦の社会で成り立っています。
3歳〜70代まで。
同じ目的を持って物事を進める。
だからこそ、規律を守っていない子には叱る。
挨拶は3歳も70歳も関係なく、率先してお互いが立って頭を下げる。
お母さん達は、手作りの炊き出しで労う。
「結いの心」「おかげ様の心」で祭りを創り上げていくのです。』
子供の「手本」となる生活づくり ー
子供は模倣して成長すると言われます。祭りに参加してくる子供達は何も教えなくても直感的に祭りのルールを受け止め、ちゃんと大人の動きを見習って身のこなしができるのです。
子供に言って聞かせて教えるのではなく、大人が黙ってやって見せることがいかに大切であるかと言うことです。
こうして地域とのかかわりや人との繋がりを持って生活することの大切さを伝えていくことも、これからの子供達の成長にはかかせないのではないでしょうか。
新村氏ー
『おかげ祭りでは子供達の成長にとても驚かされます。
最初は、恥ずかしがっていた子供たちも
大人の真似をし、場の雰囲気を読み行動ができるようになるのです。
大人も同様に、子供達が自分たちを見ているという意識もあり行動が変わります。
子供も大人もお互いが良い緊張感で良い影響を与え合っているのです。』
おかげ祭りの見どころ ー
新村氏ー
『祭りを創り上げている大人たちの “所作 ” どういう動きをしているか。
子供達の真剣さ、鯔背(いなせ)な姿を是非みて感じてほしいですね。』
これからについて ー
新村氏ー
『昔から伝承されている、本来の六月灯の在り方。
灯籠や神輿を奉納する伝承活動を後世に伝えていくこと。
方言も一緒ですが誰かが伝えていかないと廃れていってしまう。
祭りを続けていくことは、もちろんお叱りをうけたり様々なことが起こります。
おかげ祭りはまだ24年目です。
100年目、200年目を迎えたときに地元の人たちが、おかげ祭りを地域の誇りとして…
「みやこんじょは、おかげ祭りがあるから、来やんよ!」
と自信を持って言える『祭り』を目指し続けていきます。』
ーお知らせー
7月1日より、都城市役所正面玄関に、おかげ祭りで使用される灯籠および提灯櫓が展示されています。
この灯籠は、おかげ祭りにて運行される大燈籠山車、武者絵燈籠山車を1/10のスケールで、あたかも本物のような迫力で、展示。さらに、提灯櫓も設置し街角で風に揺れる風情を再現しているそうです。
また、この展示燈籠は、すべておかげの祭り衆により手作りで製作されているとのこと。
是非都城市役所にて、緻密な工作と、祭りの雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか?
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おかげ祭り
7月8日 宵祭り《大燈籠の運行 19:30 八坂神社出立》
7月9日 本祭り《御輿宮入 18:45 都城駅前出立》
おかげ祭りについて、お問い合わせは 都城六月灯 おかげ祭り公式HPをごらんください。
http://www.okagematsuri.jp/index.html
https://www.facebook.com/okagematsuri/?fref=ts
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