霧島連山に囲まれた都城地域は、温暖な気候と広大な自然の恵で木刀の原料となる良質な樫の木(かしのき)が育ち、武道も盛んだったことから全国に名をとどめる“都城木刀”の生産が盛んでした。
年々、利用者の減少とともに木刀の需要は少なくなってきましたが、現在も全国トップの生産量を誇る都城木刀は、その長い歴史の中で受け継ぎながら磨いた技で海外からも注目される伝統工芸品です。
都城市ふるさと産業推進局は、都城木刀の魅力をPRするため新留木刀製作所で全国の美術工芸を専攻する学生等を対象に9月25・26日にインターンシップを開催し、29名の応募者の中から選ばれた6名が木刀づくり体験の他、地元の方々との交流を行いました。
【インターンシップ体験者の声】
入江さん (福岡県在住の大学生)
おじいちゃんが大工だったので小さい頃からカンナで遊んでいました。その影響もあって、モノづくりが大好きで大学では工芸科を専攻しています。まだ具体的な職業は決まっていませんが、人の温かみや温もりを感じることのできるモノづくりをしたいと思っています。自分で木を掘り出して何かをつくる喜びを感じたいです。
<新留木刀製作所>
義昭さん、正弘さんのご兄弟お二人で木刀をつくっています。
木刀職人というと固く怖い職人さんを勝手にイメージしていましたが、お二人は、にこやかな笑顔と優しい笑い声で学生さん達に楽しく木刀づくりを教えていました。
新留木刀製作所では、形稽古用の実用品だけではなく、高級木材を使用した装飾品としての伝統工芸品制作も行なっており、伝統工芸師である匠の技が生み出す“新留木刀”を求めて全国各地はもとより海外からも注文が増えています。
流派やオーダーごとに切っ先の形を10種類以上のカンナを使い分け削ります。
「品質を追求し、妥協しない。クオリティ重視で満足してもらえること。」
ひた向きに木刀づくりに打ち込んできたを新留さんの言葉はとても清々しいものでした。
都城の素晴らしい伝統工芸品“都城木刀”がこれからも長く多くの方に愛されてほしいです。
新留木刀製作所
〒885-0017 宮崎県都城市年見町10-8