都城茶がひらく、静かな豊かさと心ほどけるひととき
2025年8月に都城島津邸に【日本茶専門店 日向時間石蔵カフェ】がOpenしました。
“都城島津邸“は、国の登録有形文化財に指定された明治期の島津家の邸宅と伝承館を通じて、南九州と島津氏の深い歴史を体感できる文化スポットで都城の観光名所の一つです。


オーナーの坂元寛之さんは「お茶を通して豊かな時間を届けたい」という想いを大切に、日本茶文化の魅力だけでなくお茶を通して地域の歩みや歴史などを発信し続けています。
店主自ら厳選した都城茶や茶器、和菓子といった商品をセレクトし、カフェスペースではお客さまと直接日本茶を楽しみながら対話します。その丁寧なおもてなしは、訪れる人にゆとりある“日向時間”を感じさせてくれる存在です。
坂元さんの視点はお茶の味にとどまらず、“日常の中にささやかな豊かさを生み出すこと”。
石蔵カフェ出店や体験イベントなどを通じて、地域の歴史や文化とお茶を結びつける活動にも情熱を注いでいます。こうした姿勢が、多くの人に親しまれる理由です。


坂元さん:「本店は南鷹尾の閑静な住宅街にあるんですが、観光地の都城島津邸が近いこともあって、市外の方や海外から来られるお客さまも多いですね。全国的には深蒸し茶が主流になっていますが、“都城茶”の釜炒り茶は、生葉を蒸さずに高温の釜で炒るのが特徴です。黄金色の水色と、ふわっと立ちのぼる独特の釜香(かまか)を楽しんでいただけます。」




「お客様から『やっぱり急須で淹れたお茶は美味しいですね〜』と、しみじみ言葉をいただいたり、若い方が『お茶の美味しさに初めて気づきました!』と、驚きと喜びの表情を見せてくれることがあるんです。
そうした瞬間に立ち会えるのが、お茶屋として何よりうれしいですね。
中学生の男の子が、お小遣いで自分用の湯呑みを買っていってくれたことがあって。『急須はまだ買えないから、お小遣いを貯めてまた来ます!』って言ってくれたんです。親に買ってもらおうとするんじゃなくて、自分でコツコツ貯めて、っていうのが本当にうれしくて。」
本当にお茶が好きな子で、話しているとこちらまでわくわくしてくるんですよ。思わず「就職はぜひうちに!」なんて口説いてます(笑)。」




坂元さんの穏やかな語りとともに味わう一杯のお茶には、言葉にしなくても伝わってくる想いがあります。都城茶の香りに包まれながら過ごす日向時間は、日々の忙しさをそっとほどき、心に静かな余白をつくってくれる場所だと、取材を通して感じました。
島津邸の四季折々の庭園を眺めながら、石蔵カフェで過ごす静かなひととき。
皆さんもやさしいお茶の香りに包まれて、心ほどける時間を味わってみませんか。
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島津邸本宅は入館料が必要ですが、庭園と【日向時間 島津邸石蔵カフェ】は入館料は不要です。






